
基調講演
「今、青年の家に求められるもの」
講師 IBC専務取締役 四方洋
プロフイール
四方洋 しかた・ひろし ジャーナリスト IBC専務 健康と生きがいづくり財団監事 京都府綾部市出身 昭和10年生まれ 昭和35年毎日新聞入社、東京本社社会部副部長、人事第二部長、「サンデー毎日」編集長、編集委員、学生新聞本部長等を歴任。昭和58年文化放送・月〜金曜朝7時の「おはよう四方洋です」を担当。平成元年退社、著書に「離婚の構図」「土着権力」「マイウェィ・ハイウェイ−道のロマンにかける男たち」「自立家族」等。
ご紹介いただきました四方です。青年の家とは、今、内田さんがお話しになりましたように、この十数年、時々思い出したようにおつき合いをさせていただいております。青年の家はともかく、私も子供を持っておりますし、次の世代の若者達がどういうふうに育ってくれるのかということについては、これはもう毎日毎日考えない日はない。 このごろ電車に乗って一番気になるのは若者のマナーです。大体、シルバーシートがありますが、あそこに年寄りが座っていたためしがない。大体若者が占領している。しかも、年寄りが乗ってくると、すぐに目をつぶる。こういうふうな状況で、血の気の多い私なんぞは頭の上からどなってやろうかと思ったりするのですが、1人でそういうことをすると、何人かに取り囲まれて、またどこかへ持っていかれたりしても困るというのでやりませんけれども、我々が日常すれ違う場面で、彼らは全く社会的ルール違反が気になっていないという状況を目の当たりにして、ううん、このままではいかんといつも感じております。 私は、「サンデー毎日」編集長と、その後に学生新聞本部長というのを新聞社でやりました。小学生新聞と中学生新聞と子供新聞という子供のメディアトリオなんですが、これの社長ですね。独立採算でやっていましたから、社長業を2年ぐらいやったんですが、そのときも子供の−これはNHK出版から出ておりますけれども、日本の中学生、日本の小学生の社会的マナーというか社会的道徳、昔でいうと公衆道徳ですね、こういうのの各国比較のデータがありました。そういうのを見ても、日本は最低ですね。イギリス、アメリカとか、そういう国と比較するだけではなくて、例えばアジアのシンガポールとか、あるいはフィリピンなんかの子供とも比較しているんですが、お年寄りに席を譲るというふうなマナーでいうと、これはもう日本が断トツに低い。一番下です。 それから、廊下にごみが落ちていたときに、ごみを拾うかどうかというふうなことも、これも一番下ということで、私は今の若者のマナーというかルール違反には大変気になっておりまして、しかも本人たちが知らないのではないか、そういうことがおかしいということを知らないのではないか。だから、例えば廊下にごみが落ちている場合も、「ごみを拾え」「拾ったら得するぞ」と言えば拾う。ところが、
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